任意整理

借金が返せないと悩んでいる人のために、債務整理のひとつの方法である任意整理について解説します。任意整理の方法や向いている人、メリット、デメリットなどについてまとめました。

任意整理の方法

任意整理では、債権者に対して受任通知書を送付することからスタートします。

これにより債権者から債務者への連絡をストップさせることが可能です。

その後、債権者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法に引き直し計算をして適正な利率に金額を算出。

正当な謝金残額を確定し、債権者に返済計画の提案をして合意を得られたら、その後の支払いを続けるものです。

どんな人が該当?

300万円以下など、比較的借金が多額ではない人におすすめの方法です。

任意整理では、借金額を大幅に減額することはできないため多額の借金があると整理しきれなくなる可能性があります。

また、他の債務整理の方法に比べて手続きが簡単なので、手間や時間をかけずに債務整理したい人に向いていると言えるでしょう。

任意整理のメリット

利息が減る

任意整理をすると利息制限法に則って利息を再計算することができるため、支払うべき利息の額を減額することができます。

また、債権者と合意後に発生する予定の利息を全てカットして元本のみの返済でOK。借金総額を大幅に減額することが可能です。

督促が無くなる

任意整理では、司法書士や弁護士から債権者に受任通知を送付した段階で、債権者からの返済特則が即日ストップすることが大きなメリットと言えるでしょう。

借金に苦しむ人の多くは、返済滞納によるしつこい督促により、精神的に疲弊してしまうことも少なくありません。

手間が少ない

任意整理は債務整理の方法のなかでも手続きが簡単で手間の少ないものと言えます。

裁判所を介さずに債務整理をするため、必要書類の作成や提出などの事務的な手間を大幅にカットすることが可能です。

司法書士や弁護士の業務も少なくて済むため比較的早期に決着をつけることができるでしょう。

バレるリスクが少ない

任意整理は裁判所を介さず簡単な手続きで済ませることができるため、家族や会社にバレるリスクが少ないこともメリットと言えます。

必要書類も少なく、家族の給与証明書や会社の退職金証明書などを提出する必要もありません。官報公告もないため人知れず債務整理することが可能です。

過払い金の請求が可能

任意整理では、過払い金請求により利息を大幅にカットすることが可能です。

古くから借金している場合は、返済中、返済済に関わらず、過去にさかのぼって過払い分を取り戻すことができます。

場合によっては、過払い金返還額が借金額よりも大きくなることもあるでしょう。

資格・職業の制限がない

任意整理では資格や職業の制限を受けることがありません。

債務整理の方法によっては、手続きを行うことによって一定の職業につけなくなる資格制限が発生することがあります。

資格・職業の制限を受けると士業や警備員などの職業につけなくなるだけでなく、成年後見人にもなれません。

財産保持できる

任意整理では、家や土地などの不動産をはじめとする財産を失うことはありません。

債務整理の手段によっては、持ち家や自家用車を売却して債権者に配当しなければならないこともあります。

財産を保持したい人にはおすすめの方法です。

整理する債務を指定できる

任意整理では、整理の対象とする債務を指定することができます。借金では保証人がついていることも少なくありません。

保証人付きの借金を整理しようとすると、保証人に催促の連絡がなされ迷惑をかけることになります。

任意整理では、そのような債務を外して手続きをすることが可能です。

任意整理のデメリット

ブラックリストに載る

任意整理のデメリットには、いわゆるブラックリストの問題があります。これは、任意整理することによってローンやクレジットカードの利用ができなくなるもの。

ブラックリストというものが現実に存在するのではなく、ローン会社や銀行などが利用する個人信用情報に任意整理の履歴が残ることによるものです。

カードの利用や住宅・車などのローンが組めなくなったり、分割払いができなくなったりすることもあります。

元金は減らない

任意整理では、元本ではなく払い過ぎた利息を取り戻したり、債権者との協議後に新たに発生する利息をカットしたりするための手続きであるため、元本そのもの減額はできません。

借金は基本的にそのまま残ります。多額の借金の場合は、任意整理だけでは対応できないことも理解しておきましょう。

応じてもらえないケースも

任意整理では債権者に応じてもらえず、手続きができない場合もあります。任意整理の重要な条件は、債権者と話し合って合意することです。

手続きを行うためには債権者の合意が必要であり、非協力的な債権者である場合は任意整理できない可能性もあります。

依頼先の違い

弁護士の場合

任意整理を弁護士に依頼する場合の最大のメリットは、借金額の上限がないということです。

個別の債務額が140万円を超えていても任意整理することができます。

協議がうまくいかずに債権者が訴訟を起こして簡易裁判所での判決にも納得できない場合でも、控訴による地方裁判所での裁判代理人に立つことが可能です。

その一方で、債権者1社あたりの費用や相談料が高額になる可能性もあります。

司法書士の場合

司法書士に任意整理を依頼する際、個別の債務額が140万円までであれば、問題なく手続きが可能です。

簡易裁判所で扱える案件は140万円までであり、代理人となるためには認定司法書士であることが条件となります。

また、地方裁判所での訴訟には対応できません。その一方で、債権者1社あたりの費用が比較的安く、何度相談しても無料であるなどの、メリットもある事務所も少なくありません。

任意整理の流れ

まずは相談してみましょう

任意整理をと考えたら、まずは一度弁護士などの専門家に相談してみましょう。

自分自身に適した任意整理の方法や、実際に任意整理を行った場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか、一般論ではなく「自分自身にとって」をレクチャーしてくれることでしょう。

具体的な金額までは分からないかもしれませんが、自分自身で調べた情報との整合性等も含め、一度相談してみることが任意整理の一歩目です。

依頼・委任契約

任意整理が可能で、かつ「この弁護士・司法書士に任せたい」と思ったら依頼・契約となります。

正式に依頼を行った時点で弁護士が債権者に受任通知の送付と取引履歴の開示を行います。これにより、督促や取り立てが停止となりますし、以降は返済のプレッシャーから解放されることでしょう。

計算結果の算出による請求額の決定

取引履歴の開示により、それまでの取引データが揃えば計算が可能です。計算等も基本的には弁護士が行い、戻ってくる金額等を教えてくれます。

弁護士への依頼費用を差し引いた毎月の返済額、返済総額が分かります。

和解案の作成・送付による和解交渉と契約締結

返済額が変わることは、「和解」になりますので、和解案の作成や送付、和解交渉からの契約締結となりますが、こちらも基本的には依頼した弁護士が行います。

任意整理を相談するなら専門家へ

任意整理をスムーズに行いたいのであれば、初めから弁護士や司法書士に相談することが大切です。

どちらに相談するかは、個別の借金額が140万円を超えるかがひとつの判断材料となります。

しかし、費用や相談しやすい環境が整っているかどうかも重要な条件として総合的に判断することが大切です。