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ローンを組んで車を購入したものの、さまざまな事情で車のローンがきつい、または払えないといった悩みを抱えている方もいるでしょう。車のローンが払えないからと何もせずに滞納を続けてしまうと、借金がどんどん膨らむだけでなく、せっかく購入した車を手放す結果にもつながりかねません。
ここでは車のローンを払えないとどうなるのか、またはどうしても払えないときの対処法をご紹介します。
車のローンを滞納した場合、まず郵便や電話などを通じて支払いを求める督促や催告が行なわれます。最初からローン残額の一括請求を求められたり法的措置を示唆されたりといったケースは少なく、「残高不足で引き落としができませんでした。ご確認ください」などといったニュアンスで確認を促されることが大半です。
ただし、延滞金は引き落とし日の翌日から発生するため、滞納期間が長くなればなるほどローンの支払いがさらに厳しくなっていきます。
車のローンが支払えないからと滞納を続けると、債権者から「期限の利益の喪失通知書」などといった文書が送られてきます。
期限の利益とは、返済期日まで支払いを待ってもらえる権利のこと。また、債権者から合意を得ることで分割払いもできるようになります。滞納により期限の利益を喪失した場合、ローンの分割払いができなくなり、残額を一括で支払わないといけません。
ローンを完済していない場合、車の所有権は債権者が持っている可能性が高いです。債権者は自己の所有権に基づき、ローンを払えない債務者の車を引き上げすることができます。ここで注意したいのが、車を引き渡したからといってローンの返済義務がなくなるわけではないということ。
引き上げられた車を売却してもローンを回収できなかった場合は、債務者が残りの部分を支払わなければいけません。そのため、手元に車はなくてもローンの支払いが続くといったケースになりかねないのです。
また、引き上げられた車が売却されると、信用情報機関に延滞情報が登録されます。これがいわゆるブラックリスト入りで、新たに借り入れをしたり、クレジットカードを作ったりということができなくなります。
ローンを契約する際に連帯保証人を立てていた場合、連帯保証人にも督促が行なわれます。連帯保証人は債務者と同等の支払い義務を課されるため、連帯保証人もローンを支払えないとなるとローン会社から連帯保証人に対して訴訟を起こされる可能性があります。
このように、債務者がローンを滞納してしまうと、連帯保証人にも悪影響を及ぼしかねません。
車の所有権がローン会社にあったとしても、債務者の敷地から勝手に車を引き上げることは窃盗罪などの罪に問われる可能性があるため、できません。車を引き上げる際は事前に債務者に日時の連絡が行き、引き渡し時にも債務者の同意のサインが必要です。このときにサインを拒否することはできますが、裁判による強制執行で車を差し押さえられてしまいます。
どのみち車を引き上げられてしまうため、ローンを支払わない限りは引き渡すのを拒否することはできないと言えるでしょう。また、ローンの支払いにあてようと債権者の許可を得ずに車を売却してしまうのは違法行為にあたるため、絶対にしてはいけません。
ローンの支払いが難しいとわかった時点で、ローン会社に相談しましょう。債権者に相談するのはハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、黙って滞納するとローン会社の心象が悪くなり、その後の交渉も難しくなってしまいます。
ローン会社に相談する際は、ただ支払いが難しいことを伝えるのではなく、滞納した理由をはじめ、支払いの意思や支払いが可能になる時期を伝えることが大切です。
ローン会社によっては返済期日を変更してもらえたり、支払い回数を増やして月々の負担を抑えてくれたり、などといった対応をしてもらえる可能性があります。
どうしてもローンの支払いが難しい、またはローン会社が交渉に応じてくれないといったケースの場合は、専門家に相談するのがおすすめです。専門家に相談することで交渉が上手くいったり、借金問題を解決する債務整理の提案を受けられたりします。
債務整理には「任意売却」「個人再生」「自己破産」があり、利息や遅延損害金の減額または元本を含む借金の大幅な減額が可能になるケースも。
車を手放したくない場合も、弁護士に相談して適切な債務整理の方法を検討してもらうことで手元に残せる可能性があります。