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借金が返せないと悩んでいる人のために、債務整理のひとつの方法である過払い金請求について解説します。過払い金請求の方法や向いている人、メリット、デメリットなどについてまとめました。
過払い金請求は、高い金利で借入していた借金を利息制限法で定められた金利で再計算することにより取り戻すものです。
そのためには、貸金業者などから取引履歴を取り寄せ、引き直し計算をしたうえで過払い金返還請求書を送付しなければなりません。
債務者自ら手続きすることも可能ですが、交渉がまとまらないと裁判に発展する可能性もあるため、専門家に相談する方がいいでしょう。
比較的長く借金返済している人に過払い金が戻ってくる可能性が高くなります。過払い金は返済中のみでなく、完済後でも過去にさかのぼって請求することが可能。
長年、借金を返済している人は、過払い金が戻ることで完済、減額ができるだけでなく現金が戻ってくる可能性もあるでしょう。
過払い金請求の最大のメリットはお金が戻ってくることです。
毎月の返済金に支払わなくてもよい利息が含まれているため、払い過ぎた利息は返金され、借金返済に回すことも可能です。
長期に渡って借金返済をしている場合は、過払い金請求により払い過ぎた多額の利息分が戻ってくる可能性があります。
取り戻した分を借金返済に回すことができるため、返済中の借金が減額されたり、場合によっては完済できたりする可能性もあると言えるでしょう。
過払い金請求では、引き直し計算をして本来支払わなければならない利息を算定します。
したがって、返済中に過払い金があればこれから生じる利息をカットすることができるため、月々の返済額を減額することが可能です。
過払い金請求は債権者となる金融業者からすれば損をする手続きであるため、請求を行うことで同じ業者から新たな借り入れができなくなる可能性が高くなります。
請求先以外の業者であれば、借り入れやカードの使用も可能です。
借金返済中に過払い金請求をして返還金で借金をゼロにできなかった場合、金融機関などが利用する信用情報機関、いわゆるブラックリストに情報が載ってしまう可能性があります。
返済中、完済を問わず借金がなくなった場合はブラックリストに載ることはありません。
過払い金請求は債務者自ら行うことも可能ですが、対応が困難になることがあります。
引き直し計算をした書類を送付しても、債権者との話合いはひとりで行わなければなりません。また、合意が得られずに裁判に発展する可能性も考えておいた方がいいでしょう。
過払い金請求は借金を完済した後でも返還請求をすることができます。
ただし、過払い金の時効は、最後に借入・返済した日から10年と決まっているため、それを過ぎると取り戻すことができません。
弁護士が取り扱う過払い金請求額には上限がありません。また、地方裁判所においても代理人として対応することができます。これらが弁護士の大きな強みです。
しかし、その一方で民事事件だけでなく刑事事件や企業顧問など、幅広い案件を扱っているため、過払い金請求に難色を示す場合もあります。
債務整理を専門としているわけではないので、スムーズに業務が進まない場合があることも理解しておきましょう。
認定司法書士であれば簡易裁判所での対応も可能ですが、取り扱う借金の額が140万円以下という規定があります。
ただし、これは1社あたりの借金上限額であるため、複数の債権者であれば200万円、300万円と回収額が増えても対応可能です。
また、過払い金請求で地方裁判所まで進むケースはまれであるため、比較的費用が安い司法書士に任せるのもひとつの選択と言えるでしょう。
過払い金請求は、1社あたり140万円を超えるかどうかで相談先が弁護士、司法書士に分かれることになるでしょう。
しかし、依頼するための費用や相談しやすさ、債務整理の問題に親身になってくれるかどうかが、専門家を選ぶ大切なポイントとなります。総合的に判断して相談先を選ぶようにしましょう。